1st Single 『Untitled』 2001.8.1 Release

今の気分は無題です。

初恋の嵐は撃つ。彼らは、突然やって来ると、圧倒的な精度でもって聴き手の心を撃ち抜いてしまうのだ。心に開けられた大きな風穴を抱えた聴き手は一体なに が起こったのか考えざるを得ないが、答えはなかなか見えて来ない。しかし、それより大事なのは、彼らがいつもぼくらに触れること……とにかく、彼らはいつ も触れてくるのだ。それは迂闊にも、送られてきたアルバムをうっかり聴いてしまったのが始まりだった。“初恋の嵐のファースト・ミニ・アルバム『バラード コレクション』”と口に出して言ってみた時の、滑らかでいて、ほろ苦い言葉の響きに誘われて、封を切ったが最後。“もたった”テンポのリズム隊とアンプで 増幅された雷鳴のようなギターが形作る三角形の小宇宙に、僕は放り出されたまま漂っている。果たして、戻って来られるのだろうか?あらぬ不安が頭をよぎる も、やはり、これでいいのだと強く思う。そもそも、トリオ編成の若きロック・バンドが全6曲をたった一日で、しかも、ヴォーカルを含めての一発録りでレ コーディングした恋愛歌集などという、あり得る限り、最も青臭いはずのそのアルバムはいま聴き返しても、全く色褪せていないのだ。これはそうそうあること ではない。しかし、そうそうあり得ないはずの音楽体験がこのニュー・シングル「Untitled」では再び繰り返されている。しかも、今回の彼らは前作完 成直後に脱退した谷下謙に替わり、元メロディオンズの隅倉弘至を正式なベーシストに迎え、最小限ながらダビングを重ねた、オーソドックスなレコーディング を敢行。短期間で迎えた大きな変化をものともせず、名曲3曲をものに出来たのは、ひとえにソングライターの西山達郎の、ひいては初恋の嵐というバンドの素 材そのものの素晴らしさがそうさせるのであって、彼らの音楽性をして、しばしば引き合いに出されるニール・ヤングやジミ・ヘンドリックス、ビートルズと いったクラシック・ロック・アーティストに対する一方的な憧憬によるものではないということはここに特筆すべきかと思う。2001年に本気で音楽を志そう という者にとって、事態はそんなに単純ではない。恐らくは過去の偉人達がなし得た数々の偉業が目の前に立ちはだかっているだろうし、それを若さという勢い のみで乗り越える術もたかが知れている。つまりは相当な負け戦を覚悟せずして臨みようがないのだ。しかし、初恋の嵐は音楽の力を追い風に勢いよく飛び出し てしまったいま、圧倒的な絶望に打ちひしがれながらも、一抹の希望をきっちりと歌い込もうという気概に溢れている。愛憎半ばで揺れる「Untitled」 と「フライング」に続いて、どうしようもなく音楽に魅せられてしまう男たちの心情を客観的かつ滑稽に歌う「さえない男たち」は本作を締めるに相応しい楽曲 であると同時に、バンドの楽天性を見事に指し示していると思う。唐突に始まったセッションをあるがままに記録したかのようなタイトル曲を聴いてみて欲し い。ベースの持続音と遅れて入ってくるドラム、そして、西山の歌う決定的なフレーズ……「お願いだ」という叫びは宙に投げ出されると、彼らがこの曲をビー トルズの「PLEASE PLEASE ME」やゼムの「BABYPLEASE DON'T GO」といったかつての名曲と同じ目線で歌っていることはすぐに分かるはずだし、バンドの全てがその一点に集約されている「フライング」の鮮やかな出だし をヘッドフォンで聴けば、目の前の風景は一瞬にして変わる。こうした奇跡のような瞬間を生み出しながら、初恋の嵐はぼくらを撃つ。一体何が起こったのか、 答えはなかなか見えてこないが、本作「Untitled」は、とにかく触れてくるのだ。(ライター:小野田雄)

1.Untitled
2.フライング
3.さえない男たち

DCCM-1002 \1,100(tax in)



1st Mini Album 『バラードコレクション』 2000.12.21 Release

遠き日の過ち。それは驚愕のイクスペリエンス。

■introducing...
取って付けたような「幸せな結末」へのアンティシズム。しかし、4畳半フォークへ6畳ワンルームからの愛に溢れる返答。学生時代を終えて、不況を言い分け に、なおモラトリアムな現代の若者に送る、ファーストなのにバラードコレクション。
分かりやすく言えばジミヘン、ニールヤングの影響を感じるが、現代に生きる健全な若者である西山達郎のフィルターを通したサウンドは、まさに遠き日の過 ち。驚愕のイクスペリエンス。
本作は1日にして全ての曲をRec。手直し無し、待ったなし、問答無用の一発録り。スタジオ内のメンバーの息遣いの伝わる過剰に生々しい真のレコーディン グ作品であり、ひとつのアートフォームです。

1.星空のバラード
2.君の名前を呼べば
3.ブラインド
4.化粧に夢中な女の子
5.果てしない想い
6.カモンアゲイン

全作詞・作曲 西山 達郎

DCCM-1 \1,680(tax in) \1,600(excluding tax)
2000 MULE RECORDS
MADE IN JAPAN STEREO


『Smells Like Teenage Symphony』 2002.3.27 Release
初恋の嵐が1曲参加のオムニバスCD。 全16アーティストが参加したグッドなコンピ盤に、彼らの「涙の旅路」という曲が収録されています。またしても名曲です。 more info→ http://teenage-symphony.com

MUCT−1001

V.A 『新宿ミーティング』 2002.10.4 Release
2001/08/28〜30に新宿JAMと2001/08/30に新宿LOFTで行われた「新宿ミーティング01」の模様を収録した、インディーズ・シー ンの最前線で活躍するバンドが一同に会したライヴCD。
初恋の嵐は「君の名前を呼べば」(バラードコレクション収録)で参加。

TIBE-0001 \1,050(tax in)
berry records
タワレコ新宿店+@TOWER.JP限定販売
お問い合わせはタワーレコード新宿(03-5360-7811)までお願いします。


コモンビル

『(この内容)C.O.A sessions』 2001.7.25 Release
ヴォーカルの西山が参加していたカントリーロックバンド「コモンビル」のファーストアルバム「(この内容)C.O.A sessions」がコアレコードから発売中。西山は4曲で作詞、作曲、ヴォーカルを担当、名盤です。

COAR-0012 \2,100(tax in)
COA RECORDS


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